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【DraftSight-47】自動保存ファイルとバックアップファイル。

ファイル

!注記!
2019年3月19日、「DraftSight2019 SP0」が公開されましたが、Windows版については無料版が無くなり、有料版のみでの提供となった様です。詳しくは前書きに記載しています。
また各記事内でDraftSightのダウンロード先としているリンクも、DraftSightの最新バージョンのみが公開されており、旧バージョンはダウンロード出来ません。

CAD上で現在開いている図面を閉じる際、時間の無い時に限って折角編集を行った、保存しなければならない図面を保存せずに閉じてしまったり、あるいは逆に別名保存しなければいけない図面に上書き保存を行ってしまう場合があります。この様な時はCADソフト側で自動的に行ってくれるバックアップを利用して、少しでも行った編集の内容や以前の状態を復元させたいところです。

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人が行う行為なので必ずミスもあります。また意図せずCADソフトが異常終了してしまう事もあります。この様な場合に少しでも被害を少なくする為に、DraftSightでは自動保存とバックアップの設定があるので、どの様な働きとなるのか見てみます。

自動保存とバックアップ

DraftSightには自動保存(Auto-save)とバックアップ(Backup)の2種類がありますが、働きが少し異なります。

自動保存

自動保存は一定時間間隔で現在の図面状態の保存を行ってくれます。自動保存が行われた際にはコマンドウィンドウに下記の様に表示されます。

また複数の図面を同時に開いている場合は、それぞれで自動保存が行われます。

上記では2つの図面を開いていますが、タブで図面を選択するとそれぞれのコマンドウィンドウに自動保存が行われた表示があります。・・・ここで初めて気が付いたというか、改めて確認出来た事なのですが、コマンドウィンドウの内容もそれぞれの図面毎の内容になっているのですね。上記右側の図面では四角や円を描いていますが、その時のコマンドは左側の図面では表示されません。考えてみれば当たり前ですが今まで意識していませんでした。

自動保存の設定は、システムオプションの「自動保存/バックアップ」内で「自動保存」にチェックを入れ、その下の「ドキュメント保存間隔」で時間を設定します。保存先はその上の「自動ファイルの保存位置」で任意に指定出来ます。CADソフトによっては時間ではなく、コマンドの実行数などでも指定出来るものがあります。

自動保存の注意点

自動保存によって保存されるファイルの拡張子は(.ds$)となっています。この拡張子を元の図面ファイルの拡張子に変更すると、DraftSight上で再び開く事が可能になります。上記では自動保存のファイルのコピーを作成した上で拡張子を変更しています。

上記は拡張子の変更後にDraftSightから開いてみた結果です。問題無く開く事が出来ましたが必ずしも毎回開く事が出来る保証はありません。またこのブログ記事を書きながらDraftSightも立ち上げていますが、保存間隔を5分としていても自動保存が行われない事があります。どうやら図面上に変化が無いと行われない様子です。図面に変化が無い訳なので問題はありませんが。

また自動保存は時間によって行われるので、間違って保存を行わずに閉じてしまった図面の場合、閉じた時の内容ではなく最後に自動保存が行われた時の内容です。保存間隔が5分の場合は最長5分ぶんの作業が失われます。さらに自動保存で保存されるファイル(.ds$)はその都度上書き保存なので、履歴や差分として辿る事は出来ません。

バックアップ

バックアップは図面ファイルを上書き保存する際に、保存する前のファイルのバックアップを作成します。バックアップの場合はコマンドウィンドウにバックアップを行ったという旨の表示はありません。

上記は「M6-CAP.dwg」をDraftSightで開いて上書き保存を行った場合です。バックアップは拡張子(.bak)として保存されています。

バックアップの設定は「自動保存」の設定と同じ箇所で、上記の2つのチェックで行います。「各保存時にバックアップを保存」にチェックを入れると、バックアップファイルが作成されます。バックアップファイルの作成場所については指定は出来ず、元のファイルと同じ場所に作成されます。

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バックアップの注意点

拡張子(.bak)として保存されたバックアップファイルを、元の(.dwg)に変更して開いてみます。自動保存と同様にバックアップファイルのコピーを作成してから拡張子を変更しています。

バックアップファイルの場合も問題無く開く事が出来ましたが、こちらも毎回開く事が出来る保証はありません。またバックアップについては上書き保存する際に、変更前の元ファイルをバックアップとして保存する機能です。従って元ファイルから開いて変更を加えても、上書き保存を行わない限りはバックアップファイルが作成されたり、更新される事はありません。逆に変更を加えながら都度上書き保存を行うと、バックアップは1つ前に行った上書き保存の内容となります。本来変更したくなかった図面で上書き保存をしてしまった場合、初回の上書き保存であればバックアップファイルから戻せますが、何度か上書き保存を行ってしまうと初期の内容には戻せなくなってしまいます。バックアップファイル自体も都度上書き保存となっていて、履歴や差分はありません。CADソフトによっては差分や世代の指定が出来るものがあります。

バックアップにはもう1つ、「元の形式を使用」というチェックがあります。ヘルプにはチェックを入れるとバックアップを行う際に「元の図面ファイルのバージョンで保存する」とあります。バックアップはあくまで(.bak)で作成されますが、その内容がR2010だったりR2013だったりという事でしょうか?確認する術がないので不明です。

また同じシステムオプションの「開く/名前を付けて保存」の項目にも「オリジナルファイルの形式を保存」という項目があります。こちら側のヘルプには「バックアップファイルをそのオリジナル図面ファイルバージョンに保存する」とあります。・・・こちらもバックアップ?先の物との違いが分かりません。保存するタイプはその上で指定しています。新規作成の図面の場合は指定するタイプ、バージョンの異なる図面を開いてその図面を上書き保存する場合はオリジナルを維持するという意味であれば分かるのですが。

その他

どちらかと言えば自動保存はCADソフトが異常終了した場合に、それまでの内容を出来るだけ保持する為の機能、バックアップは人為的な図面の保存ミス(別名保存のつもりが上書き保存)を助ける機能となるでしょうか。新規図面で1度も保存を行わずに閉じてしまった場合でも、保存時間間隔で「NONAME_~.ds$」として自動保存されています。ただし無料版のDraftSightでは(有料版でも分かりませんが)履歴や差分は無いので注意が必要です。単純な作業内容の戻しであればUndo、Redoを使う事になりますが、手っ取り早く戻したい場合には自動保存やバックアップのファイルを利用する場合もあります。

※各記事はWindows 64bit版のDraftsight、またはUbuntu版のDraftSight(ベータ)で確認して書いていますが、記事公開時のDraftsightのバージョンによって、あるいは他のOS向けDraftsightでは仕様が異なる部分があるかもしれません。また確認不足による間違いや勘違いなどがあるかもしれません。その場合は御容赦願います。
※DraftSightおよびDraftSightロゴは、Dassault Systemesの米国およびその他の国における登録商標です。その他、全てのブランドおよびブランドロゴ、製品名は各所有者の商標または登録商標です。

Posted by 管理人